土地を売却する際には、土地の境界や範囲を明確にする必要があります。
しかしそもそも境界線とはどういったものなのか、どのように調べたら良いのかがわからない方もいるでしょう。
そこで今回は、土地の売却時に必要な境界線の概要や調べ方、境界を確定させるために必要な費用について解説します。
土地の売却時に重要になる土地の境界線とはどのようなもの？
土地の境界線とは、自身が所有している土地と隣地の土地との境目を示すラインのことで、公法上の境界である「筆界」と当事者間で定めた境界である「所有権界」があります。
土地と土地との境目が明確でなければ、どこまでが自身の土地の範囲かを巡って隣地の方とのトラブルにつながりかねません。
そのため、土地を売却する際には原則として購入希望者に境界を明示しなければならないのです。
境界が未確定の場合は隣接地の所有者と話し合って境界を確定させる必要がありますが、場合によっては合意にいたらないケースもあります。
そのようなときは筆界特定制度を利用し、土地の所在地を管轄する法務局に境界確定の申請をおこなえば、筆界の確定が可能です。
ただし、筆界特定制度によって確定された筆界には法的拘束力はなく、法的に境界を確定するには境界確定訴訟を起こして裁判官に境界を決めてもらう必要があります。
土地売却時に押さえておきたい境界線の調べ方
境界線の調べ方のひとつに、公図や地積測量図を確認する方法があります。
公図は地図に準ずる図面、地積測量図は土地の面積や境界線の位置などが記された公的な測量図のことで、いずれも法務局で閲覧可能です。
所有している土地が区画整理後の区画の場合は自治体に保管されている区画整理図面が、地方自治体による地籍調査がおこなわれているときは地籍調査図面が参考になります。
そのほか、土地の売買契約書にも境界線が記載されている場合もあるため、よく確認してみましょう。
土地売却のための境界線の確定に必要な測量費用はいくらかかる？
境界が未確定の土地を売却する場合は、事前に測量をおこなって境界を確定させなければなりません。
測量を土地家屋調査士に依頼して実施する場合は、50万円～100万円ほどの費用が発生します。
一方、筆界特定制度を利用して境界を確定する際も数千円の手数料にくわえ、測量を専門家に依頼しておこなうケースでは数十万円の測量費用も納める必要がある点に注意しましょう。
まとめ
土地を売却する際には、トラブルを未然に防ぐためにも事前に隣地との境界線を明確にしておく必要があります。
取引をスムーズにおこなうため、公図や地積測量図といった公的な書類で境界を確認するほか、土地家屋調査士に測量を依頼して早めに境界を確定させましょう。
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