これから工場の売買を考えている方に、知っておいてもらいたいことがあります。
工場の売買において、とても重要な「契約不適合責任」について、しっかりと理解し把握しておく必要があります。
そこで今回は、工場の売買を検討されている方に向けて、工場を売買するときの契約不適合責任の概要と買主の権利などを解説します。
工場の売買で大切な「契約不適合責任」とは?
工場の売買契約において、引き渡し後に買主から「契約内容に適合していない」と、判断された場合に、売主が責任を負うことを契約不適合責任といいます。
たとえば、工場に「雨漏り」がある場合、契約書には雨漏りしている事実を記載し、さらに買主に対して説明をし「了承」を得る必要があります。
しかし、契約書にその事実を記載せず、買主が引き渡し後に気づいた場合、売主は責任を取らなければなりません。
つまり、事実を記載し相手に伝えるという行為を怠ったので、売主に責任が生じるのです。
工場の不具合に対して、契約書に記載されていたかどうかが、とても重要なポイントとなります。
工場の売買にて発生する「契約不適合責任」の買主の権利とは?
もし責任を取る事態になった場合、買主の権利として5つの請求が認められています。
1.追完請求
契約内容と異なる種類、品質、数量の場合、追完請求をおこない「完全な給付」を求めることが可能です。
2.代金減額請求
追完請求をしても売主が対応しない場合には、売買価格の減額を請求できるので、まずはこの権利を行使してみましょう。
3.催告解除
追完請求をしても売主が対応しない場合に、買主が催告をして「契約解除」をすることが可能です。
催告解除の買主の権利を行使する場合には、弁護士や不動産会社に一度相談をすると良いでしょう。
4.無催告解除
売主が追完請求に応じない場合に、催告をせずに契約を解除することができる権利です。
5.損害賠償
売主の過失で生じた損害に限り、損害賠償を請求することができます。
買主には、以上の5つの権利があります。
最後に、工場の売買に関しては「特約・容認事項」を、しっかり契約書に記載することが重要です。
買主が負担するものと売主の責任について明確に記載をすると、良いでしょう。
まとめ
工場の売買で注意すべき点は、買主に嘘をつかず契約書には事実を記載することです。
買主に対しての裏切りとなってしまうので、そのようなことが起きないように、しっかりとした契約書を作成しましょう。
大きな金額が動く売買とは、信頼してもらえる対応の心がけが大切です。
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