居抜きとスケルトンの違いとは?費用や向いているタイプをご紹介!

居抜きとスケルトンの違いとは?費用や向いているタイプをご紹介!

テナントを契約するとき、居抜き物件にするかスケルトン物件にするか、判断に迷っている方もいらっしゃるでしょう。
それぞれの特徴を事前に把握しておけば、物件選びをスムーズに進めやすくなります。
そこで今回は、テナント契約を検討している方に向けて、居抜きとスケルトンの違いとは何か、主な費用や向いているタイプをご紹介します。

居抜きとスケルトンの違いとは

居抜きとスケルトンの違いとは

店舗やテナントの賃貸借契約を検討している方は、事前に居抜きとスケルトンの違いを把握しておきましょう。
それぞれ以下のような特徴があるので、契約前に確認しておくことをおすすめします。

居抜きとはどのような物件か

居抜き物件とは、前の入居者が使用していた内装や設備、什器などがそのまま残っている状態です。
新しく契約したテナントは、それらの設備を引き継げるため、初期費用を大幅に削減できる可能性があります。
壁紙、床材、キッチン内の厨房設備だけでなく、照明やテーブルなどの備品も残されていることがあるため、内覧時に確認しておくことが重要です。
状況によっては、食器やカトラリーが残されていることもあり、飲食業を営む予定の方にとっては大きなメリットです。
また、配管や空調ダクトなど、内装や設備の一部が残っている物件は「半スケルトン」や「一部居抜き」と呼ばれることがあります。

スケルトンとはどのような物件か

スケルトンと居抜きの大きな違いは、内装や設備が残っているかどうかです。
中身がない状態をスケルトンと呼ぶため、入居時には設備の導入費用がかかります。
内装にこだわりすぎると、高額な初期費用が発生するのがデメリットです。
ただし、建物の躯体のみとなっているため、自由にレイアウトしやすい特徴があります。
原則として、テナント契約ではスケルトン状態で退去しなければなりませんが、貸主と借主の合意があれば、設備を残して退去することも可能です。
テナント探しを始める方は、事前に居抜きとスケルトンの違いを把握しておくことで、スムーズに物件を選べるでしょう。
テナント契約で何を優先するか、条件をあらかじめ整理しておくことをおすすめします。
それぞれの状況に合わせて、より良い物件を選択することが大切です。

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居抜きとスケルトンの費用に関する違い

居抜きとスケルトンの費用に関する違い

居抜きとスケルトンでは、費用に関して違いが見られます。
それぞれ初期費用にどの程度かかるのか、以下でチェックしておきましょう。

内装工事費用の違い

居抜き物件で飲食店を開業する際の内装工事費用は、平均で約15~30万円です。
ただし、この金額は既存の内装をそのまま使用する前提であり、大幅な内装工事をおこなう場合、さらに費用がかかる可能性があります。
内装や設備に過度にこだわると、高額な費用が発生します。
そのあとの経営に悪影響を及ぼす可能性もあるため、無理のない資金計画を立てることが重要です。
資金計画を立てる際には、使える金額の上限と希望金額の2種類の予算を設定しておくと良いでしょう。
2つの予算を設定することで、内装工事に資金を使い過ぎるリスクを抑えることができます。
スケルトン物件の内装工事費用は、平均で約30~50万円です。
居抜き物件と比較すると高額になりやすいため、資金計画は慎重におこなう必要があります。
その分、一からの設計となるため、内装の自由度が高まります。

業態ごとに異なる内装工事の坪単価

同じ飲食店でも、店舗の業態によって内装工事費用は大きく異なるため、注意が必要です。
飲食店のなかでも代表的なカフェでは、坪単価が15〜25万円ほどが相場です。
カフェは特に雰囲気が重要で、内装にこだわる必要があります。
天井を吹き抜けにしたり、装飾品をおしゃれにしたりするなど、内装工事費用が増加する可能性があるでしょう。
また、飲食店の代表格である居酒屋では、内装工事費用の坪単価が約25〜40万円かかります。
居酒屋にもバル、焼き鳥、海鮮などさまざまな種類がありますが、基本的には内装や設備は似ていることが一般的です。
厨房に専用のビールサーバーを設置するなど、特殊な工事を行わなければ、相場から大きく外れることは少ないでしょう。
和食の飲食店では坪単価が35〜50万円ほどかかり、焼肉屋では50万円以上かかる可能性があります。
店舗の広さやコンセプトによっても金額は前後するため、何を優先するか条件を整理しておくと良いでしょう。
高価な素材を使用したり、工事の規模が大きかったりすると、初期費用が高額になるため、注意が必要です。
あらかじめ使える予算を明確にしておけば、資金を使い過ぎる心配も少なくなります。

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居抜きとスケルトンに向いているタイプ

居抜きとスケルトンに向いているタイプ

テナント探しでは、居抜きとスケルトンどちらにするか判断に迷うはずです。
そのようなときには、以下のタイプを参考にすることをおすすめします。
テナント探しをスムーズにおこなうためにも、居抜きとスケルトンそれぞれの向いているタイプを確認しておきましょう。

居抜き物件に向いているタイプ

居抜き物件は、初期費用を抑えたい方に向いています。
内装や設備をそのまま使えるため、テナント契約時の初期費用を大幅に削減することができます。
手持ちの資金が少ない方や、準備期間をできるだけ短縮して開業したい方には、居抜き物件が適しているでしょう。
新しくオープンする店が前の店舗と同じ業態であれば、内装や設備をそのまま利用できるため、すぐに経営を始められる点が大きな魅力です。
解体費用や新たな設備の設置費用をかけずに開業できるため、少ない資金で事業を始めたい方にはぴったりです。
ただし、設備に破損や不具合がある場合もあるため、契約前にしっかりと作動チェックをおこなうことが大切になります。
また、居抜き物件ではリース品にも注意するようにしましょう。
前の入居者がリース契約している場合、継続するか返却するかの判断と手続きをしっかりとおこなわなければなりません。
リース品を無断で使用すると契約違反となり、ペナルティを受ける可能性があるため、リース契約や契約書を確認し、トラブルを未然に防ぐことが重要になります。

スケルトン物件に向いているタイプ

理想の空間を作りたい方には、スケルトン物件が向いています。
スケルトン物件は、躯体のみが残された状態で、内装や設備を一から設計できるため、自由に店舗のコーディネートが可能です。
内装や設備を一新することで、修繕コストを減らすこともできるかもしれません。
さらに、スケルトン物件は居抜き物件よりも数が多く、さまざまな条件から選べる点が特徴です。
希望する立地や間取りを選択できるため、店舗経営に強いこだわりを持つ方には最適です。
デザインや内装にとくにこだわりたい場合は、スケルトン物件を選ぶと良いでしょう。
ただし、注意点もあります。
工事に遅れが出ると、資金計画に狂いが生じる可能性があります。
また、工事が完了するまで店舗をオープンできませんが、その間にも賃料は発生するため、資金回収に時間がかかることも考慮する必要があります。
リスクをしっかりと理解したうえで契約を進めることが重要です。

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まとめ

居抜きとスケルトンの違いは、内装や設備が残っているかどうかです。
スケルトンで残されているのは躯体のみとなっているため、その分の内装工事費用がかかります。
初期費用を抑えたい方は居抜き物件、理想の空間をつくりたい方はスケルトン物件がおすすめです。