危険物倉庫の概要や基準とは?普通の貸倉庫で保管できるケースも解説!
貸倉庫を利用すると、さまざまなものを保管できて便利でしょう。
ただし、危険物は普通の貸倉庫では保管できず、危険物倉庫を利用する必要があります。
そこで今回は貸倉庫を探している方に向けて、危険物倉庫とはなにか解説します。
危険物倉庫の基準や、普通の貸倉庫で危険物を保管できるケースなども解説しますので、ぜひご参考にしてください。
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危険物倉庫とは①概要と保管できる危険物の種類
貸倉庫には、どのようなものでも保管できるわけではありません。
貸倉庫にはさまざまな種類があり、用途に応じて選ぶ必要があります。
たとえば、危険物を保管したい場合は普通の貸倉庫ではなく、危険物倉庫を利用します。
どのような倉庫なのか、概要を確認しておきましょう。
危険物倉庫とは
危険物倉庫とは、一定の量を超える特定の危険物を保管できる倉庫です。
引火しやすい物質や爆発を起こす危険性のある物質など、法律によって危険物に分類されたものを保管できます。
保管する建物の構造や基準、危険物の指定数量などは消防法によって厳しく定められています。
危険物倉庫に保管できる危険物の種類とは
危険物とは火災や爆発、中毒などを引き起こす危険性のある物質のことです。
さまざまな種類があり、消防法では火災の発生や火災が拡大する可能性、消火の困難性が高い性質をもつ物品が危険物に指定されています。
危険物倉庫にはどのような危険物を保管できるのか、具体的な分類を確認してみましょう。
消防法によると、保管できる危険物は酸化性固体と可燃性固体、自然発火性物質および禁水性物質と引火性液体、自己反応性物質と酸化性液体です。
酸化性固体とはほかの物質を酸化させる物質であり、可燃性物質などと混合すると発火や爆発の危険があります。
塩素酸塩類や過塩素酸塩類、無機過酸化物などが該当します。
可燃性固体とは、燃えやすくて低い温度でも着火する可能性のある物質です。
例としては、硫化りんや硫黄などが挙げられます。
自然発火性物質は空気に触れると自然発火しやすい物質、禁水性物質は水に触れると発火しやすい物質です。
カリウムやナトリウム、アルキルアルミニウムなどが該当します。
引火性液体とは、引火や爆発などの危険性がある可燃性蒸気を発生させる液体のことであり、石油類やアルコール類などが挙げられます。
自己反応性物質には固体と液体の両方があり、酸素の供給源となる酸素供給体を含んだ物質です。
空気に触れなくても自己燃焼する危険性があり、該当するのは有機過酸化物や硝酸エステル類、ニトロ化合物などです。
酸化性液体は強酸性の液体であり、可燃性物質と接触すると発火のリスクがあります。
過塩素酸や過酸化水素、硝酸などが挙げられます。
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危険物倉庫とは②法律によって定められている基準
先述した危険物を保管するためには、法律によって定められている基準を満たすことが必要です。
まず、危険物を取り扱うことができる施設について確認しておきましょう。
危険物を取り扱うことができる施設とは
危険物を取り扱うことが可能なのは、製造所と貯蔵所、取扱所の3種類です。
製造所は、危険物を製造するための施設です。
貯蔵所は大きな指定倍数、取扱所は小さな指定倍数で取り扱うことができます。
危険物倉庫は貯蔵所にあたり、取扱所にはガソリンスタンドなどが該当します。
危険物倉庫に定められている基準とは
危険物倉庫を建築する際は、位置および規模・構造・設備に関する基準を満たさなくてはなりません。
位置に関する基準には、保安対象物ごとに定められた保安距離を確保することや、保有空地を確保することがあります。
保安距離とは、安全のために特定の施設や設備の周囲に必要な距離のことです。
たとえば、住居として使用される建築物および工作物は10m以上、学校や病院などの多くの方を収容する施設で、総務省令で定めるものは30m以上です。
保有空地の幅は、壁・柱および床が耐火構造かどうかによって変わります。
耐火構造とそれ以外を比べると、耐火構造ではないほうがより広い幅を定められています。
次に、規模・構造・設備に関する基準を確認してみましょう。
規模に関する基準は、軒高が6m未満で平屋建てであることや、床面積が1,000㎡以下であることです。
構造に関する基準は屋根や梁、壁や柱などのそれぞれに設けられており、不燃材料を用いることや耐火構造であることが定められています。
設備に関する基準は、消火設備を設置することや、一定量を超える場合に定められた避雷設備を設置することなどです。
なお、危険物倉庫を建設する際は、ほかにも建築基準法などのさまざまな法令が関係します。
各自治体で定めている条例もあるので、そちらもしっかりと確認する必要があります。
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危険物倉庫とは③普通の貸倉庫で保管できるケース
危険物であっても、普通の貸倉庫でまったく保管できないわけではありません。
たとえば、家庭でもファンヒーターに使う石油を保管することがあるでしょう。
家庭でファンヒーター用の石油を保管する際に、許可を取っていることはほぼありません。
これと同様に、普通の貸倉庫であっても許可を得ずに危険物を保管できるケースがあります。
では、普通の貸倉庫で危険物を保管できるのは、どのようなケースなのでしょうか。
普通の貸倉庫で保管できるケースとは
普通の貸倉庫で保管が可能なのは、危険物が少量であるケースです。
量が多い場合は、先述した基準を満たす危険物倉庫を利用しなくてはなりません。
けれど、危険物が一定量を下回っている場合は普通の貸倉庫でも保管できます。
ただし、少量とはいえ危険物であるため、保管する際は消防法に定められている保管方法をしっかりと守りましょう。
普通の貸倉庫で保管できる条件とは
危険物を普通の貸倉庫で保管できるかどうかには、消防法によって定められている指定数量が関係します。
指定数量とは、「危険物についてその危険性を勘案して政令で定める数量」です。
指定数量は危険物の種類に応じて定められており、たとえばガソリンは200リットル、灯油や軽油は1,000リットルです。
そして、規制の対象となるかどうかは、指定数量の倍数(危険物を貯蔵する量÷危険物の指定数量)で判断されます。
普通の貸倉庫などで許可なく危険物を保管できるのは、指定数量5分の1未満の場合です。
この場合は、消防署への届け出も必要ありません。
指定数量5分の1以上で1未満の場合は、少量危険物扱いとなります。
消火設備の設置や消防署への届出をおこない、使用許可を得ると普通の貸倉庫でも保管が可能です。
指定数量が1以上の場合は、消防法で規制される対象になります。
そのため、消防署へ届出をして許可を得たうえで、基準を満たした貯蔵庫を使用しなくてはなりません。
つまり、指定数量1以上になると普通の貸倉庫では保管できず、危険物倉庫を利用する必要があります。
なお、危険物を保管する際は地域の消防本部が定めている火災予防条例なども守らなくてはなりません。
地域によって基準が異なる可能性があるので、しっかりと確認しておきましょう。
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まとめ
一定量を超える危険物を保管する場合は、危険物倉庫を使用する必要があります。
少量であれば普通の貸倉庫でも保管できますが、規定の数量を超える場合は危険物倉庫を使用しなくてはなりません。
危険物の保管に関しては地域の条例などもあるので、もれなく確認してしっかりと守りましょう。
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