貸倉庫とトランクルームの違いとは?それぞれのメリット・デメリットも解説

貸倉庫とトランクルームの違いとは?それぞれのメリット・デメリットも解説

荷物を預けるために貸倉庫を探していると、トランクルームなど似た性質を持つ物件が目に入ることがあります。
しかし、貸倉庫とトランクルームにどのような違いがあるか、正確に把握されている方は少ないかもしれません。
そこで今回は、貸倉庫とトランクルームとはそれぞれどのようなものなのか、メリット・デメリットについても解説します。

貸倉庫とトランクルームの違いとは

貸倉庫とトランクルームの違いとは

貸倉庫とトランクルームは、どちらも荷物を預ける場所であることに違いはありません。
ただし、両者には大きな違いがあるため、契約前には貸倉庫・トランクルームそれぞれの特徴をチェックすることが大切です。

貸倉庫とは

貸倉庫とは、倉庫として使用するために貸し出された物件のことを指します。
サービス内容について、倉庫業法の規制とならないことが、貸倉庫の特徴です。
そのため、アパートなどと同様に、賃貸借契約を結んだうえで利用することになります。
アパートと同じ賃貸借契約を結ぶならば、何に使っても問題ないと思われるかもしれませんが、法律で保管できないと定めているものは荷物として置けません。
日本における貸倉庫の始まりは、昭和6年にまでさかのぼります。
自社内に荷物の保管場所がない企業に対して、スペースを貸し出したものが貸倉庫の始まりです。

トランクルームとは

トランクルームとは、単にスペースを貸し出すのではなく、荷物の保管をサービスとして提供しているものです。
トランクルームは倉庫業法による規制の対象となるため、営業可能なのは国土交通省に登録している業者のみとなります。
トランクルームのサービスが登場したのは、個人利用が難しい貸倉庫の問題をカバーするためだとされています。
日本におけるトランクルームの始まりは昭和61年頃で、貸倉庫におけるトラブルを教訓として、トランクルーム約款が定められたことがポイントです。

貸倉庫・トランクルームの違い

貸倉庫とトランクルームの大きな違いは、その契約形態の種類にあります。
貸倉庫は賃貸物件同様に賃貸借契約を結ぶ一方で、トランクルームでは荷物を預かるための委託契約を結ぶことになります。
このように契約形態に違いがあるのは、収納された荷物に対する保障の有無が違うためです。
貸倉庫はなかの荷物に対して保障がないものの、トランクルームは預かった荷物に対する保障があります。
また、貸倉庫とトランクルームには、荷物の出し入れの自由度にも違いがあります。
貸倉庫は契約者が自由に荷物を出し入れできますが、トランクルームは業者による立ち会いが必須です。

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貸倉庫とトランクルームのメリット

貸倉庫とトランクルームのメリット

貸倉庫とトランクルームはどちらも荷物を保管する場所ですが、契約形態や保障の有無などに違いがあります。
それぞれのメリットもチェックして、どちらが自分に合っているかを確認してみましょう。

貸倉庫のメリット

貸倉庫は、一定の広さのスペース全体を借りるため、大型の荷物を預けられることがメリットです。
一般的に、貸倉庫として利用されているのはコンテナなどが多く、大型の機器やオートバイなどを保管できます。
もちろん、小さくて大量の荷物がある場合も、貸倉庫であれば広いスペースを活用して収納できます。
また、荷物の出し入れに貸倉庫業者の立ち会いが不要であり、自分の都合に合わせて時間を気にせず自由に荷物を出し入れできるのは、貸倉庫ならではのメリットです。

トランクルームのメリット

トランクルームでは、預かった荷物について保障されることがメリットとなります。
荷物を保障する責任を負うトランクルームには、万全のセキュリティ対策がほどこされているのが一般的です。
そのため、ビジネスの書類や美術品など、貸倉庫では不安のある荷物を預けられます。
また、セキュリティだけでなく空調など設備が整っていることが、トランクルームを利用するメリットです。
荷物によっては、気温・湿度の変化で劣化しやすくなるため、安全に保管したいならばトランクルームがおすすめです。

貸倉庫とトランクルームどちらを選ぶ?

荷物の収納場所として貸倉庫かトランクルームか迷う場合、荷物の大きさと量で判断するのがポイントです。
荷物が大型で大量の場合は、大型のコンテナといった貸倉庫を選ぶと良いでしょう。
また、荷物の価値によって、トランクルームを選択したほうが良い場合があります。
トランクルームはセキュリティの設備が整っていて保障があるため、価値のある荷物を預ける場所として最適です。
それぞれに異なる料金プランが設定されているのはもちろん、収納できる荷物の大きさや量に違いがあるので、どのような荷物を保管するかによっておすすめできる場所が異なります。

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貸倉庫とトランクルームのデメリット

貸倉庫とトランクルームのデメリット

貸倉庫とトランクルームには、それぞれ異なるメリットがあります。
実際に契約する前には、メリットだけでなく、デメリットについても把握しておきましょう。

貸倉庫のデメリット

貸倉庫は、アパートなど賃貸借契約と同じ仕組みのサービスであるため、契約を結ぶにあたりさまざまな書類の提出が必要になることがデメリットです。
もちろん賃貸借契約であることから、アパートなどと同様に、保証人が必要になることは注意点といえます。
また、屋外に置かれただけのコンテナが貸倉庫として利用されやすく、温度や湿度のコントロールが難しいことは貸倉庫のデメリットです。
預けたい荷物によっては、貸倉庫に長期間入れておくと劣化してしまうことも考えられます。
もちろん、貸倉庫には荷物に対する保障がないため、荷物に劣化や損傷が発生しても、貸倉庫業者に責任を求められません。
さらに、貸倉庫はトランクルームと違い、セキュリティのための設備がそれほど充実していないのが一般的です。
そのため、広いスペースがあったとしても、価値のある荷物の収納は避けたほうが良いでしょう。
貸倉庫のデメリットを理解したうえで、問題ない荷物を保管する場合であれば、貸倉庫の利用を考えてみましょう。

トランクルームのデメリット

一般的にトランクルームは、建物のなかの限られた区画に荷物を預けるサービスです。
そのため、貸倉庫と比較して大型の荷物を預けにくいことが、トランクルームのデメリットです。
大型の荷物を預けられるトランクルームもありますが、セキュリティや空調が万全であることから高額になることがあります。
また、荷物を出し入れする場合、申請が必要になるなど自由度の低さは、トランクルームのデメリットです。
急に荷物を出したいと考えても、申請が必要で手間がかかるほか、業者が立ち会えない営業時間外には作業ができません。
あらかじめ営業時間や申請の手続きを把握したうえで、計画外の荷物の出し入れがないならば、トランクルームの利用を考えると良いでしょう。
さらに、設備や保障が充実しているトランクルームは、貸倉庫と比較して料金が高額になりやすいことがデメリットです。
貴重な荷物を保障とセキュリティ設備のあるトランクルームに預けたいと考えた場合、荷物の量によって予算をオーバーしてしまうかもしれません。
トランクルームごとに預けられる荷物の大きさに違いがあり、大型の荷物に対応しているトランクルームは利用料金が高額になる傾向があります。
トランクルームを利用する場合は、トランクルーム全体の広さや料金プランを確認したうえで、荷物の大きさに合った場所を選ぶことがポイントです。

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まとめ

貸倉庫とは賃貸物件同様にスペースを借りるもので、トランクルームは委託契約として荷物を預かるサービスです。
貸倉庫は大量の荷物を保管できるメリットがあり、トランクルームにはセキュリティや保障が充実しているメリットがあります。
ただし、貸倉庫では賃貸借契約に保証人が必要になることや、トランクルームの荷物出し入れに申請が必要なことは、注意したいデメリットです。