ファクトリーブースとは?貸倉庫に導入するメリット・デメリットを解説!

ファクトリーブースとは?貸倉庫に導入するメリット・デメリットを解説!

倉庫の活用方法を工夫すると、生産性や作業環境の質を大きく向上させられます。
その一例が「ファクトリーブース」の導入ですが、具体的にどのようなメリットがあるのか、よくわからない方もいるでしょう。
そこで今回は、貸倉庫のレンタルを検討している方へ向けて、ファクトリーブースの概要、貸倉庫内にファクトリーブースを設置するメリット・デメリット、注意点を解説します。

貸倉庫におけるファクトリーブースとは何か?

貸倉庫におけるファクトリーブースとは何か?

そもそもファクトリーブースとはどのようなものなのか、よく知らない方も多いでしょう。
これから貸倉庫のレンタルを検討しているのなら、まずはファクトリーブースの基本的な概要を押さえておきましょう。
ここでは、ファクトリーブースとはどのような設備なのかについて解説します。

ファクトリーブースとは?

ファクトリーブースとは、倉庫や工場の内部に設置される小規模な独立空間を指します。
簡単に言えば、大きな倉庫の一角に設けられた、天井や壁を備えた小部屋のような構造です。
天井付きのため、ある程度の遮音性・保温性・断熱性が確保されており、用途に応じて柔軟に設計できる点が特徴です。

ファクトリーブースの用途

貸倉庫内に設置するファクトリーブースは、さまざまな用途に活用できます。
たとえば、空調を備えたファクトリーブースを休憩室として使用すれば、従業員の疲労軽減や労働環境の改善につながります。
また、天井付きのファクトリーブースは、喫煙室として使用することも可能です。
タバコの煙が外に漏れにくいため、非喫煙者への配慮にもなります。
そのほか、大きな音が出る作業時の防音室、トイレブース、大型の冷蔵庫など、さまざまな用途に対応できる点が特徴です。

▼この記事も読まれています
貸倉庫の賃貸借契約における注意点とは?押さえるべき3つのポイントを解説

貸倉庫にファクトリーブースを設置するメリット・デメリット

貸倉庫にファクトリーブースを設置するメリット・デメリット

貸倉庫へのファクトリーブースの導入はさまざまなメリットがありますが、同時にデメリットや制約があることも知っておきましょう。
ここでは、貸倉庫にファクトリーブースを設置するメリットと、注意したほうが良いデメリットを解説します。

メリット①空間活用の自由度が高まる

貸倉庫をそのまま使うときには、空間が広すぎて用途が限られてしまうことがあります。
しかし、ファクトリーブースを設けると、作業スペース・事務室・検品エリアなどと柔軟に区切れるため、業務の動線も整理されます。
また、可動式のパネルやユニット型の設計を選択すれば、業務内容に応じてブースの配置や形状を変更することが可能です。
事業の成長や工程の変化にも対応できるため、長期的な視点でも有効です。

メリット②空調・温度管理がしやすくなる

貸倉庫全体を快適な気温に保つのは難しい傾向にありますが、一角にファクトリーブースを設けて空調設備を導入すれば、小規模空間のみを効率的に冷却または加温することが可能です。
これにより、従業員の体調管理や保管商品の温度管理がしやすくなり、作業効率や品質の向上に貢献します。
とくに、夏場の熱中症対策や冬場の寒さ対策として、空調設備付きのファクトリーブースの設置は有効です。

メリット③一時的な用途に使える

仮設オフィスや検品スペース、作業マニュアル置き場など、ファクトリーブースは一時的な用途にも適しています。
新たな作業場を確保するために別途倉庫を借りると、追加の費用が発生するおそれがあります。
しかし、既存の貸倉庫内に小部屋を設置できるファクトリーブースであれば、新たに倉庫を借りる必要がないため、コストを抑えることが可能です。

メリット④解体しやすい

ファクトリーブースのメリットとして、解体して撤去しやすい点が挙げられます。
一定期間のみ必要なスペースとしてファクトリーブースを活用したときでも、すぐに撤去できるので、簡単に貸倉庫内のレイアウトを変更できます。

デメリット①ブース内の温度が上がりやすい

空間を仕切られたファクトリーブースを熱源などの近くに設置すると、室温が高くなりやすい点に注意が必要です。
ファクトリーブース内で快適な作業環境を確保するには、空調設備の導入を検討する必要があります。
そのため、工事費用がやや高くなる点は考慮しなければなりません。

デメリット②貸倉庫の原状回復義務に影響することがある

貸倉庫だと、退去時に原状回復義務が課せられているケースが一般的です。
ファクトリーブースの設置時には、床や壁を加工する必要があるため、原状回復時に追加コストがかかることがあります。

デメリット③工事期間がかかる

貸倉庫にファクトリーブースを設置するときには、空調設備の設置や電気工事などさまざまな工事が必要になります。
そのため、実際に利用できるまでに相応の期間がかかることは、押さえておくことが大切です。
また、貸倉庫にファクトリーブースを設置する際には、大きな音が発生する可能性があり、周辺の住民に迷惑をかけるおそれがあります。
そのため、設置にあたっては周辺への配慮も必要です。

デメリット④防音性能に限界がある

ファクトリーブースは簡易的な空間であるため、外部の音をすべて遮断できません。
そのため、設置場所によっては、外部の騒音で作業効率が低下するおそれがある点に注意が必要です。
ファクトリーブースを作業場として使用する予定なら、設置場所を工夫したり、追加で防音対策を講じたりすることが欠かせません。

▼この記事も読まれています
倉庫の売買契約をIT重説でおこなう?IT重説の概要と手続きの流れを解説

貸倉庫にファクトリーブースを設置するときの注意点

貸倉庫にファクトリーブースを設置するときの注意点

ファクトリーブースの導入にはさまざまなメリットがありますが、設置するには法律や安全面での確認などが欠かせません。
ここでは、貸倉庫にファクトリーブースを導入する前に押さえておきたい、主な注意点について解説します。

注意点①オーナーへの確認が必要

貸倉庫はあくまでも賃貸物件であるため、勝手に構造物を設置できません。
そのため、貸倉庫にファクトリーブースを設置したいときには、あらかじめオーナーとの協議が必要です。
とくに壁や床に加工を伴う場合は、工事範囲や原状回復の扱いを明確にしておく必要があります。
契約内容に原状回復義務があるかどうか、また改装や造作物に関する制限があるかなど、契約書の記載を事前に確認しておくことが重要です。

注意点②消防法や建築基準法などの法律を確認

貸倉庫内に設けるファクトリーブースであっても、一定規模や構造によっては、消防法や建築基準法などの法律の規制対象になります。
たとえば、天井の材質が不燃材であるか、防火シャッターの位置を妨げないかなど、安全基準の確認が求められます。
また、貸倉庫内にファクトリーブースを設置する場合は、消防法の規定により、工事の7日前までに「防火対象物工事等計画届出書」を消防署へ提出する必要があるでしょう。
さらに、火災報知器や排煙設備などの設置が求められる場合もあります。
そのため、貸倉庫内にファクトリーブースを設置する際は、事前に専門家に相談し、関連法令や基準に適合しているかを確認することが重要です。

注意点③追加費用がかかることがある

ファクトリーブースに換気扇や窓ガラス、照明・コンセント・空調などの電気設備、セキュリティシステムなどを導入するときには、追加で費用がかかります。
そのため、まずはファクトリーブースをどのような用途で使いたいのかを検討し、そのうえで必要となる設備を考えていくことが大切です。

▼この記事も読まれています
貸倉庫の契約前に知りたいキュービクルとは?導入のメリットと注意点を解説

まとめ

ファクトリーブースとは、倉庫内に設けられる天井付きの小部屋で、仮設事務所や休憩室などさまざまな用途で使えるメリットがあります。
しかし、空調設備がないと室内の温度が上がりやすい、契約内容によっては設置できないなどのデメリットがあるのも事実です。
貸倉庫内にファクトリーブースを設置するときの注意点としては、事前にオーナーに確認する、法律の規制をクリアできるかを確認するなどが挙げられます。

SKハウジング㈱の写真

SKハウジング㈱

和歌山県内の事業用不動産に特化した提案を行っており、専門性と親身なサポートを大切にしています。
不動産は地域の未来を築く基盤であるからこそ、誠実な情報提供と丁寧な提案を心がけています。

■強み
・農地転用や開発許可、造成工事までを一貫して対応可能
・地域密着型の対応で多数の相談 / 取引実績あり
・未公開物件の取り扱いあり

■事業
・事業用不動産の売買 / 仲介
・事業用定期借地の提案も可能