オフィス縮小移転とは?メリットや成功のポイントを解説

テレワーク導入が進んだ企業では、以前ほど広いオフィスである必要がなくなりつつあります。
オフィスのニーズの変化にともない、縮小移転をおこなう場合は、決定前にメリット・デメリットを慎重に比較検討することが大切です。
そこで今回は、オフィス縮小移転とはなにか、メリットや成功のポイントについて解説します。
オフィス縮小移転とは?

近年では、多くの企業がオフィス需要の変化にともない、縮小移転を検討しています。
ここでは、オフィス縮小移転の概要と増えている背景、統計に分けて解説します。
オフィス縮小移転の概要
オフィス縮小移転とは、オフィスの規模や面積を現状よりも小さくすることを指します。
オフィス縮小移転で一般的なのは、フロア面積がより小さいオフィスビルへ移転するケースです。
一方、移転せずに現状のフロアの一部をオーナーに返却し、面積だけを縮小する方法もあります。
オフィス縮小移転は、テレワークとオフィスワークのハイブリッドをとる企業で推進されることが多いです。
オフィス縮小移転が増加している背景
オフィス縮小移転が増加している背景には、テレワークを導入する企業が増え、業務に必要なオフィスの面積が縮小化されていることが挙げられます。
ICTの普及によって、必ずしもオフィスへ出社しなくても業務ができる体制が整ってきたことも、背景のひとつにあります。
オフィス縮小移転により、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方が可能です。
社会情勢とともに働き方は変化していくため、それに合わせてオフィスの形態も変化させていく必要があります。
統計から見るオフィス移転縮小
2020年の新型コロナウイルス感染症流行による、全国的な外出自粛の呼びかけは、多くの企業でオフィス縮小移転を推進するひとつのきっかけとなりました。
国土交通省の調べによると、2020年9月には、新型コロナウイルス感染拡大の終息後も、現状よりテレワークを拡大すると回答した企業は全体の18%でした。
また、コロナ禍と同等の状態を維持すると回答した企業は53%で、全体の7割が拡大もしくは維持の意思を示す結果となっています。
2020年5月の調査では、事務所スペースについて、縮小移転を検討する企業は全体の約5%に上る結果となりました。
ほかの調査結果では、コロナ禍が終息した後も、オフィス縮小移転の流れは続いている結果が見られています。
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オフィス縮小移転のメリット・デメリット

オフィス縮小移転を検討する場合は、メリット・デメリットの両面を比較することが大切です。
ここでは、メリットとデメリットをそれぞれ3つずつ解説します。
メリット①コストの削減ができる
オフィス縮小移転により、オフィス賃料のコスト削減が可能です。
また、オフィス規模が小さくなると、光熱費やオフィス家具、設備などにかかるコストも削減できます。
オフィス縮小移転と同時にテレワークの拡大をおこなえば、社員の交通費や移動時間にかかるコストなども少なくなります。
オフィスを縮小し、同程度の賃料でもっと立地の良い物件に移転する企業もあるでしょう。
メリット②業務の生産性向上
オフィス縮小移転と同時に自由な働き方を導入すれば、業務の生産性が向上する可能性があります。
オフィスに通勤しなくてもできる仕事は、自宅でテレワーク対応にすれば、移動にかかる時間を業務そのものに取り分けられます。
オフィス縮小移転では、紙の資料の保存スペースを削減する必要があるため、ペーパーレス化を導入する企業も多いです。
ペーパーレス化のためにデジタル管理システムを導入すれば、データ収集や分析が自動化され、作業の効率化が可能になります。
メリット③社員の満足度が向上する
オフィス縮小移転によって、場所や時間にとらわれない働き方を推進すれば、社員の満足度が向上します。
通勤時間が減れば、社員はプライベートな時間が増やしやすくなります。
育児や介護をしている社員にとっても、ライフスタイルに合わせた勤務時間の選択ができるようになるでしょう。
社員の満足度が向上すれば、離職率の低下にもつながり、優秀な人材を確保しやすくなるメリットもあります。
デメリット①コミュニケーションが減少する
オフィス縮小移転により、勤務場所が分散されると、社員同士のコミュニケーションの機会が減るデメリットがあります。
対面の機会が減ると、業務上の相談やフォローがしにくくなり、問題の早期解決が難しくなる可能性があります。
テレワークの拡大により、孤独感が強くなる社員もいるかもしれません。
社内のコミュニケーション不足を防ぐためには、チャットツールやミーティングツールなどを導入・活用することが欠かせません。
デメリット②社員の管理や評価が難しくなる
オフィス縮小移転すると、社員の業務の様子が見えにくくなるデメリットがあります。
対面の機会が減るため、出退勤管理や業務の進捗状況、体調などの実態が把握しづらくなります。
社員の評価についても、勤務時間や態度などを基準とすることは難しくなるため、ほかの評価基準を新たに設ける必要が生じるでしょう。
デメリット③業務の混乱を招くおそれがある
オフィス縮小移転は企業にとって、単に小さなオフィスに移転するだけの変化にはとどまりません。
縮小移転にともなって、社員の勤務形態や業務管理、新システムの導入など、幅広い改革をおこなう必要があります。
通常の業務を滞りなく続けながら新体制を導入するためには、事前の入念な準備が欠かせません。
大幅な移行をおこなう前に、ルールの整備や社員への周知などに時間や労力をかける必要がある点は、デメリットといえるでしょう。
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オフィス縮小移転を成功させるためのポイント

オフィス縮小移転からメリットを得るためには、計画性が求められます。
ここでは、成功させるためのポイントを3つ解説します。
ポイント①実施する目的を明確化する
オフィス縮小移転を決める前に、実施の目的を明確化することは大切です。
企業が現状抱える課題を縮小移転によって解決できるのか、具体的に検討する必要があります。
時間帯や曜日別に社員の在籍率を調査することや、アンケートをとることなどは、実態を把握するうえで役立つ方法です。
組織再編や新事業の開始予定など、ほかの重要な時期と縮小移転が重ならないかを確認することも、忘れないようにしましょう。
ポイント②費用対効果を考える
オフィス縮小移転によりコスト削減ができるケースもありますが、かえって多くのコストがかかってしまうケースもあります。
そこで、オフィス縮小移転の計画を立て始める前に、費用対効果を考えることは大切です。
オフィス縮小移転にともない、新たなレイアウトの設計や設備の購入などの費用がかかる場合があります。
移転先の物件探しや引っ越しなどにかかる時間的なコストも、考慮する必要があります。
削減できるコストと発生するコストを比較検討し、メリットが多い場合のみ縮小移転を決めるのがおすすめです。
ポイント③社内整備をしっかりとおこなう
オフィス縮小移転では、物理的な引っ越しの準備だけでなく、社内整備もおこなっておく必要があります。
テレワークでは難しい契約書の押印や、郵便物の処理などの業務をどのように扱うかなどについて、具体的なルールを決めておきましょう。
テレワークによりコミュニケーションが希薄にならないよう、必要なツールの選定を早期におこなっておくことも大切です。
社内整備が整ったうえで新オフィスに移転すれば、業務の混乱や社員の不満などが発生することを未然に防げます。
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まとめ
オフィス縮小移転とは、オフィスの規模や面積を現状よりも小さくすることを指します。
コスト削減や生産性の向上、社員の満足度の向上などがオフィス縮小移転のメリットです。
オフィス縮小移転を成功させるためには、実施する目的を明確化することや費用対効果を考えることなどが有効です。

SKハウジング㈱
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